――目次という名の、結界の地図
星が動き、風が巡り、影が揺れるとき、 それを読む者たちがいた。
陰陽師。
国家の奥底に仕込まれた、見えない秩序の装置。 彼らは何を見て、何を制御し、なぜ姿を消したのか。
このシリーズは、陰陽師という存在を“解剖”し、 制度・信仰・記号・忘却の交差点から、その全体像を描き出す試みである。
どの章から読んでも構わない。 これは直線ではなく、螺旋のような知の舞踏会。
ただし、ひとつだけお願いがある。
このページを最後まで読んだ者だけが、結界の内側に入ることができる。 どうか、静かに、ゆっくりと、言葉の奥を覗いてほしい。2月22日順次公開予定
1. 陰陽師はなぜ消えた──その消失は、偶然ではなかった。
かつて、国家の奥深くに“見えない秩序”を操る者たちがいた。 星を読み、方角を定め、災いを封じ、死者を鎮める。 彼らの一言が、都の運命を左右した。
だが、あるとき突然、彼らは姿を消した。 それは、ただの制度改革ではない。
陰陽寮の廃止、近代国家の成立、そして“見えないもの”を扱う知の再編。 陰陽師の消失は、ある種の知が国家から追放される瞬間だった。
なぜ彼らは不要とされたのか。 そして、その知はどこへ行ったのか。
歴史の裏側に仕込まれた、静かな断絶の物語が、いま明かされる。
この章を読む→ 1. 陰陽師はなぜ消えた──その消失は、偶然ではなかった。
2. 安倍晴明という装置──彼は本当に“いた”のか?
千年を超えて語り継がれる名がある。 安倍晴明。 だが、その実像を知る者は、ほとんどいない。
伝説と記録のあわいに立ち、 神とも人ともつかぬ存在として、彼は“記号”となった。
なぜ彼だけが、時代を超えて生き延びたのか。 その名は、誰の手によって残され、どのように使われてきたのか。
晴明神社、家学、土御門家、そして現代の創作文化へ── “安倍晴明”という装置の仕組みを、いま解き明かす。
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3. 結界の技術──世界は、見えない線でできている。
この世界には、目に見えない“線”がある。 鬼門、裏鬼門、四神相応、風水、方違え。 それは、ただの迷信ではなかった。
陰陽師は、都市を設計し、時間を読み、空間を整える者だった。 彼らの仕事は、目に見えない秩序を、現実に落とし込むこと。
比叡山と愛宕山に囲まれた京の構造。 暦と天文が支配する政治のリズム。 そして、結界という名の“見えない建築”。
その技術は、いまも都市の骨格に、静かに息づいている。
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4. 知の分解──陰陽師の知は、どこへ消えたのか?
彼らがいなくなったあと、 その知は、どこへ行ったのか。
仏教が呪術を吸収し、科学が天文を奪い、行政が暦を管理する。 陰陽師の役割は、制度の中で分解され、 “見えないもの”を扱う権利は、別の手に渡っていった。
だが、それは単なる機能の移動ではない。 そこには、知の価値をめぐる静かな闘争があった。
陰陽師の知は、なぜ分解され、どう忘れられたのか。 そして、何がその空白を埋めたのか。
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5. 境界に生きる者たち──誰が“見えないもの”を引き受けたのか?
制度の外に、もうひとつの世界があった。 山に入る者、神を降ろす者、声なきものと語る者たち。
巫女、修験者、山伏、そして女性神格。 彼らは、陰陽師がいなくなったあとに現れ、 “見えないもの”を引き受け、語り、祀り、封じてきた。
土着信仰と国家制度のあわいに生きる者たちの姿は、 忘れられた陰陽師の影を、どこかに宿している。
境界に立つ者たちの声に、耳をすませてみよう。
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6. 再神秘化する陰陽師–消えたのか、変わったのか
──あなたの隣にいる“それ”は、陰陽師かもしれない。
彼らは本当に“消えた”のか? それとも、形を変えて生き延びているのか?
現代のスピリチュアル文化、風水、干支、創作の中の陰陽師像。 制度の外で生き延びた知は、 忘却と再神秘化のあいだで、今も息づいている。
あなたが何気なく信じている“あの習慣”も、 もしかすると、陰陽師の残響かもしれない。
最後の章で、もう一度問い直そう。 陰陽師とは、何だったのか。
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7. (この章は、まだ見つかっていません)
──あるいは、あなたが読むことで現れるのかもしれません。
そして、またここへ
どこから読んでも、どこへ戻ってもいい。 この目次は、始まりであり、交差点であり、再び立ち返る場所でもある。
どうぞ、好きな扉からお入りください。 そして、読み終えたらまたここへ。 きっと、最初に見えなかった“線”が、見えてくるはずだから。
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