「あなたが知っている桃太郎や酒呑童子の物語は、勝者によって書き換えられたプロパガンダかもしれません」
「正義の味方は、いつだって正しいのか?」
私たちが子供の頃から聞かされてきた「鬼退治」の物語。桃太郎、源頼光、そして勇猛果敢な四天王たち。彼らは常に光り輝く英雄として描かれ、対する「鬼」は理不尽に暴れる悪の象徴でした。
しかし、歴史の闇を深く掘り下げていくと、全く別の景色が見えてきます。
そこにあるのは、騙し討ちに遭い、毒を盛られ、信じていた相手に裏切られながら「鬼に横道(卑怯な道)なし」と言い遺して死んでいった者たちの無念です。
なぜ、彼らは「鬼」と呼ばれなければならなかったのか。
なぜ、都の正義は「卑怯」を武器にしなければ勝てなかったのか。
本連載では、酒呑童子の断末魔を起点に、差別、地名、火葬、そして明治政府による陰陽師の追放まで、日本史の深淵に隠された「鬼の真実」を全10回にわたって解き明かします。
これは、あなたが知っている「日本」を、鬼の視点から塗り替える旅です。
連載ラインナップ(目次リスト)
第1回:【呪詛】酒呑童子の断末魔 ── 「鬼に横道なし」の衝撃
最強の鬼が死の間際に突きつけた「人間への告発」を読み解く。
- 第2回:【策略】神便鬼毒酒 ── 正義が「毒」を盛った理由
- 英雄・源頼光が選んだのは、正々堂々たる勝負ではなく「卑怯な暗殺」だった。
- 第3回:【暴力】源頼光四天王 ── 国家公認の「掃除屋」たち
- 金太郎(坂田金時)たちの正体。彼らはなぜ「異分子」を狩り続けたのか。
- 第4回:【情念】鬼にされた女たち ── 嫉妬と老いの「鬼化」メカニズム
- 六条御息所から般若まで。社会の枠からはみ出した女性たちが辿った悲劇。
- 第5回:【境界】鬼と水 ── 川原・井戸・雨に潜む「無縁」の民
- なぜ鬼は「境界線」に現れるのか。土地に刻まれた排除の記憶。
- 第6回:【記憶】地名に残る死の痕跡 ── 封印された「鬼」の住所
- あなたが住む街の地名には、かつて葬られた者たちの名残があるかもしれない。
- 第7回:【隔離】鬼と病 ── 「公衆衛生」という名の新しい鬼退治
- 疫病、精神疾患、ハンセン病。科学の力で「鬼」を閉じ込めた近代の闇。
- 第8回:【浄化】火葬の普及 ── 「死の風景」を消し去った明治維新
- 火葬禁止令と解禁の歴史から見る、日本人の死生観の変容。
- 第9回:【終焉】陰陽師のリストラ ── 国家が「闇」を国有化した日
- 天社禁止令によって、1000年続いたプロフェッショナルが消された理由。
- 最終回:【鏡像】誰が鬼を殺したか ── 現代に生きる私たちの「横道」
- シリーズの総括。酒呑童子の予言は、現代のSNS社会にどう響くのか。
「鬼に横道なし」――勝者が葬った“まつろわぬ民”
